第3章 異変
「......狼が嫌い、なの?」
「え?」
タマはキョトン顔でユリを見る。
「狼が怖い、なの?」
「......嫌いじゃないけど、ちょっと怖いかな......」
「......わかった、なの。」
ユリはしばらくタマを見上げ、狼に視線を戻す。
「ユリちゃん......」
(ユリちゃん、いきなりどうしたんだろう......)
「......やっぱり心配だから行く。」
「っそ...別に俺は止めないよ。それはお前次第だからな。」
「......。」
(やっぱり藤ヶ谷の言ってることは理解できねぇよ.....)
「ぁ、北ミツ!ユリちゃん狼と
仲良くなっちゃったよ(苦笑)」
俺が他メンバーの元に行ってみると宮田が
ユリを指しながら言う。
「仲良く......?」
視線をユリに向けてみると...
「な゛っ!?」
頬を子狼にペロペロされていた。
「クゥゥン」
「ってか、狼って"くぅん"って鳴くの......(汗)」
「みたいだね(笑)狼って基本鳴かないから。」
「ちょっとかわいいと思わないっ!?
あの子供の狼とユリちゃんのピッタリなサイズ間♪」
「可愛いって二階堂......(汗)」
「だって子供の狼だったら犬とじゃれてるもんじゃん!」
「......。」
(サイズ間的にはそうかもしれないけどよ......)
......狼だぜっ!?←
他の狼達もユリにじゃれてくるように
顔をペロペロしていた。
普通に考えたら...えらい光景だ......(汗)
他のお客さんも呆然とユリを見ていた。
「北山、みんな比較的幼い狼だから大丈夫じゃない?
お前は心配し過ぎ(苦笑)」
「横尾さん...んな事言われてもよ......」
「よく男は狼って言うけど、
あれを全部男に例えると凄い光景だよね(笑)」←
「おい千賀!っんなことに例えるなよ!!(怒)」
千賀、お前はまだ思春期か......。