第3章 異変
「っユリ!」
「......?」
キッチンにいたのはまだパジャマ姿のユリだった。
ったく......
驚かせやがって......。←正確には自分の早とちり(笑)
「パパ...おはよう、なの。」
「おはようユリ、お前先に起きてたのか?」
「ん......今日は動物園、なの。」
(動物園に行くのが楽しみで早く目が覚めたってところか?)
「朝ごはん作ってる、なの。」
ユリは包丁を持ちながら再びまな板に目をやった。
「へぇ~今日はお前が朝飯作ってくれてるのか(笑)
それは助かる助かr...うぇっ!?」
一安心した俺が顔を洗いに行こうとした時、
ユリの思いがけない一言にもう一度振り返った。
今ユリ、なんて......
(ユリって料理できるのか?)
そんな事を思いながらユリの元に行ってみる。
しかし......
「ありゃ......(汗)」
(まぁ何となく予想はつくけどな......(苦笑))
まな板には大きさがバラバラで歪な野菜たちがあった。
一口では食えない大きさのものや
千切りに近いものまであった。
でもその心遣いだけでもすごく嬉しかった。
「パパはあっちで待ってて、なの。」
ユリは俺に椅子に座るよう背中を押してきた。
「はいはい(笑)」
とりあえずユリの言うとおりに座る。
(ここは気ままに見守るか......。)
ユリはキッチンに戻り包丁を構える、だが......
「おいおいおいっ!!」
「......?」
ユリがキョトンとして俺を見てくる。
おいおい待てよ......
俺がユリを止めた理由、それは......
「そんな包丁の持ち方があるか......。」
ユリの持つ包丁、両手で包丁の柄を持っており
まるで斧で薪を切るような持ち方だった。
一昨日俺の包丁の持ち方見てたはずだし......
どうやったらあんな持ち方になんだよ......(汗)←