第2章 パパと娘
メンバーはそれぞれ着替えると自分の住む元へ帰っていく。
俺も着替えを済ませ、帰る事にする。
勿論、ファンの子達にもバレないように
マスクと帽子で変装をする。
「よし、帰っか......。」
俺はテレビ局前にタクシーを呼び、
住んでいるマンションの近くまで送ってもらった。
「ふぅ......今日もいい仕事したな~......ぁ、
明日は雑誌のグラビア撮影があるんだったな......。」
俺は独り言を言いながらマンションに向かう。
しばらく歩いていると......。
「......。」
1人の少女が前から歩いてくる。
でもなんか......微妙にふらついてるような......。
バタ...
そう思った瞬間、目の前の少女が道端に倒れる......。
「......ッ!?」
俺は驚いたものの、すぐ少女の元に駆け寄った。
「お、おい!大丈夫かッ!?」
「......。」
俺が声をかけても、少女は眠ったかのように、
目を閉じままだった......。
見た感じは小中学生くらいの少女で、冬だというのに
白いノースリーブワンピースを着ている。
若干やせ細っている感じ......。
そして足元を見ると、少女は裸足だった......。
「ッ裸足って......。」
まさか、親とかに虐待を受けていたのか......?
俺はただ事じゃないと思い、少女をおぶる。
「軽ッ.....」
すると......
「ッ...ん...」
少女が小さく声を上げた......。
よかった、意識はあるようだ......。
「一旦、俺が住んでるマンションに行くぞ?
病院はその後だ。」
俺はこのまま病院に連れていくかと思ったが、
流石に少女のこの格好のままはまずいと思ったので
一旦マンションに戻ることにした。
俺は少女をおぶり、急いでマンションに戻る。
......にしても......季節は冬だっていうのに何で、
ノースリーブのワンピースなんか......
俺は少女にそんな違和感を覚えた......。