第21章 変わらない想い
「っなぁユリ!」
「......。」
後ろを振り返るユリ。
「っまた......会える、よな?」
「......。」
「っすぐにとは言わねぇよ!......10年後、20年後、
30年かかっても、いいんだ......またいつか、会えるよな?」
「っ......」
ユリは切なそうに顔を歪めた。
「っ北山、お前もわかっていることだと思うけど、
白狼はそう滅多にこの地に姿を現すことのない伝説的狼だ。
人間になれるとはいえ、この地に足を踏み入れることはタブーなんだよ......」
わかってる、それくらいはわかってる......けど、
またこうしてユリが
俺の前に現れてくるんじゃないかって、
思ってしまう......
そう、
願ってしまうんだ......