第21章 変わらない想い
__ギシ...
「......ぱ、ぱ?」
「っ......」
いつの間にか、俺はユリをベッドに押し倒していた......。
ユリは目をぱちくりさせながら俺を見る。
「......俺は人間だけど、俺だって......
俺だって狼になれんだよ......。」_チュッ...
「んっ......」
ベッドに押し倒したまま俺は、少し押し付けるようなキスを落とした。
“男は狼”......それはまさに今の状況のようなことを指すんだと思う......
どんな男でも......好きな人とふたりきり、
そんな状況の中で他の男の話をさせられれば......誰でも狼になれんだよ......
“ピコーン”
そんな時、またLINEの通知......恐らく藤ヶ谷だな。
「......ガヤから、見なくていいの?」
「今はそんなの関係ねぇし......今は、」_トンッ...
ユリの額に額を置く宏光。
「ユリとふたりきりがいいんだよ......」
せっかく5年ぶりに再会したんだ......だから、
この貴重な短い時間を無駄になんかしたくない......
「......ユリも、パパとふたりきりがいいの......」
「......それ、どういう意味で言ってるのかわかってんのか?」
「......ドラマで見たことあるの。」
ドラマ......12歳で一体どんなドラマ見てたんだよ(苦笑)
“ピコーン”
......ッチ、また藤ヶ谷かよ(汗)
なんか藤ヶ谷に見透かされているような気がするけど......まぁいいか......今は、
__ちゅっ...
「......好きなの。」
「俺もだから......誰よりも、
愛してる......」
この夜を、誰にも邪魔をさせない......。