第21章 変わらない想い
__ぎゅっ...
「パパ......」
俺はユリを身動きができないくらいに強く抱きしめた......
身体が、そう動いちまったから......
「......っその結婚、取り消すことはできないのか?」
「......できないの。父上が言うことは絶対、
私情で放棄はできないの......」
「っそう...だよな......」
ユリが相手を好きだろうが好きじゃなかろうがそんなのは関係ない。
子孫を残すためには、仕方のないことだ......。
仕方ないのことなのに、
当たり前のことなのに......
今俺は、そのサクヤっていう奴に嫉妬している......
凄く妬ましいと思ってしまった......。
「......。」
「パパ?」
恐らく、今俺の顔はいいとは言えないだろ......多分、
怖い顔をしていると思う......。
「......ユリ、」
「p..“ちゅっ”....っん......」
思わず俺はユリが言葉を発する前にキスをしてしまった......。
それからしばらくして唇を離した。
「っそんな話......俺の前でするなよ.......」
ユリは恐らく、また会えなくなるから......正直に言ったんだと思う。
でも、好きな子から......俺はそんな言葉は聞きたくはなかった......。
「......パパ、怒ってるの?」
「......なぁユリ、」
「......?」
「......“男は狼”って言葉、知ってか?」
「......?よく、わからないの。」
俺、ユリに一体何言ってんだろ(苦笑)
ユリも頭にハテナマーク出してるし......
にしても、この状態だと......少しやばいかもしれない......
このままだと......
__ギシ...
「......ぱ、ぱ?」
「っ......」