第21章 変わらない想い
夕飯を食べ終えデザートのケーキを食べる。
その間ユリはずっと頬を染めながら食べていた。
こんな人間の食べ物を食べるのは5年振りほどだしな。
「ってかユリ達って......普段どんなの食べてんだ?
やっぱり、鹿とかを狩って食べてんのか?」
「鹿は大切な森の住民なの、だから食べちゃ駄目なの。」
「肉関係は全般的に駄目ってことか?」
_コクッ「木の実や草を食べるの。」
「肉食動物のわりに草食動物なんだな(苦笑)」
「でもたまに人間を食べるの。」←
「いきなり怖いこと言うなよ!(大汗)」
「人間、悪い人間だけなの。」
「でもこえぇから!(苦笑)」
そういえば藤ヶ谷も、冗談半分で言ってたなぁ(汗)
御子柴さん達に捕まった時に......
『あぁ。お前がいつまでも起きなかったら......
お前ら食って腹ごしらえするつもりだった。』←
あんな恐ろしいこと言ってたし......
「最近、森に入ってくる人間多いの......」
「多いって?」
「5年前の出来事で、人狼の存在が人間にわかってしまったの。
だから、別の研究組織の人間が来るの......」
「っそう、なんだ......」
(俺が行っていない間にも、そんなに人間が......)
「たまに銃を持ってくるから、その人間から住民を守るために殺すの。」
「っ......」
(ユリに、あんまり人殺しとかなんてして欲しくないけど......
しょうがねぇのかな......)
「本当は殺しくないの......でも、仕方ないの。」
大人の事情のように、狼世界でもそういった大人事情はあるようだ。
「姫も、大変なんだな......」
「それがユリの役目なの、だからいいの......」
もうすっかり、
大人になっちまったな......。
少し寂しい気持ちだ......。