第20章 また出会う日まで...
「っガヤ、ミツどうしちゃったの?」
「わからねぇ......急にユリちゃんがいるとか言いやがって......
ファンも、曲が止まって戸惑っているしな......」
(北山......マジでどうしちまったんだよ......)
「っユリ......」
「「「きゃあぁぁぁぁ!!」」」
「っ北山......!」
俺は咄嗟にステージを飛び出しユリの元に走って行ってた。
ファンやメンバーが何か言ってくるが今の俺には関係なかった......。
「っユリ......!」
「......。」
あと少し......
あと少しでユリに手が届く......
けど......
__くるっ...
「っユリ!」
「......。」
っ何でだよ......
ユリと距離をあと半分にまで縮めたが
ユリは俺に背を向け立ち去っていった......。
どんどん、ユリと距離が遠くなっていく......
なんで......
やっと、
やっと会えたのに......!
何でだよ......ユリ......
「っ待ってくれよ!ユリっ!!!」
ユリはその場で止まり、一度だけこちらに体を向け......
「『待ってるの......』」
口パクなのか会場の歓喜でよくわからなかったが、
口の動きは『待ってる。』......そう言っているように感じた。
俺はその場で立ち止まり、頷いた。
_コクッ「わかった......“あそこで”待ってる。」
ユリにそう伝え小さく微笑んだ。
「......。」
ユリはわかったのか、しばらく俺を見たあと会場を去っていった......