第20章 また出会う日まで...
「っなんでお前が......」
「また、ユリちゃんのとこに行ってたんだろ?」
「っ......」
「もう行くのは止めろ。」
「っ......」
俺は藤ヶ谷から視線を逸らした。
「お前の気持ちは十分わかる、でもユリちゃんのことは......
心の奥にしまっておくんだ。」
「っ......」
「北山、いい加減成長しろ。
ユリちゃんはもうとっくに成長している。
お前が成長しなくてどうするんだ......」
「っんなの......俺の勝手だろ!」
俺、何子供みたいなこと言ってんだよ......
藤ヶ谷の言ってることは正しい......でも俺の時間は、あそこで止まったままだ。
「っ......」
「っ北山......」
俺はいつの間にか藤ヶ谷に背を向け走っていた。
これはただの逃げだ......
現実から、逃げてるだけなんだよな......
前に、進まないといけないのに......
藤ヶ谷はじっと俺の走る姿を見ていた。
追うことも、叫ぶこともなく......