第20章 また出会う日まで...
__通い始めて3年、ユリと別れて4年...
今は夏、蝉の声が森中に響き渡っている。
「ユリ、今年は16か......」
ってなると高校1年、あっという間だなぁ(苦笑)
俺らが初めて会ったときはまだ12歳って小学生だったのに、今じゃ高校生だ。
逆に俺は今年で34、今も現役でキスマイを続けているが普通に考えればいい年だ。
「あ、苺がなくなってる......」
ユリの遠吠えは、去年から聞こえなくなってしまった。
でも苺だけは毎回なくなっている。
ここにいる生き物が食べたのかもしれないし、
本当にユリが食べたのかもしれない......
それはわからない......。
「......また、苺置いていくな。」
宏光は箱に大量の苺を入れる。
「......荷物が一気に軽くなったな(苦笑)」
こんなことを、かれこれ3年続けている......。
ユリに伝わっているのかさえ、わからないのに......
もう、止めたほうがいいのかな?
メンバーにも、そろそろ止めたほうがいいと言われている......
__飛行機の中
「ユリ......」
本当にどうすればいいんだろ......また行っても、
ユリは答えてこない......もう既に、
王女として覚醒したんだろう......だから、結局行っても......
帰りの飛行機の中でひたすら自問自答を繰り返した。
__羽田空港
羽田空港に着き帰ろうとした時...
「えぇと、バスの時間は...「北山......」......っ!?」
突然後ろから聞き覚えのある声が聞こえた。
「っ藤ヶ谷......何でこんなとこに......」
俺に声をかけたのは、藤ヶ谷だった......