第2章 パパと娘
洗面台で顔を冷やした俺は、
ユリの待つリビングに向かった。
「ふぅ......」
「パパ......大丈夫、なの?」
「ん、あぁ...元に戻ったから大丈夫。」
「よかった...なの。」
ユリは少し微笑みながら言う。
「......っ、あ、あぁ...。」
(初めて、笑った......。)
出会った時からほとんど笑うことがなかったユリが
初めて笑った......。
ユリも......こんな風に笑えるんだな......。
俺はすごく嬉しかった...ずっと笑わないユリが、
少しでも笑ってくれることが......。
「ユリ......。」
「......?」
俺はユリの頭を撫でる。
「ありがとな、心配してくれて......。」
首を横に振るが、ユリは無表情......。
(笑うユリは、レアだな...(苦笑))
やはりユリはあまり笑わないタイプらしい......。
でも......
もっとたくさん、笑える日も来んのかな......。
ユリの頭を撫でながら俺はそんなことを思った。
「......じゃあユリ、そろそろパジャマ脱いで
トレーナーのほうに着替えな?」
「わかった......なの。」
ちなみにユリはまだパジャマを着ていたので、別の服に
着替えるよう言った......だって......
(ずっとあのままでいられっと、こっちがどうなるか
分んねぇし......)←『襲う気か?(黒笑)』by.玉森←
ゾワァ...
「......。」
俺は一瞬背中に悪寒を感じた......。
「パパ、どうした......なの?」
「な、何でもねぇよ...(汗)
ほら!ユリ、早く着替えな!」
「......?今度は顔が真っ青...なの。」←
「ははは...(苦笑)」
(真っ赤の次は真っ青か......)