第19章 別れ
「さよなら......」
「っ......」
ユリは特にこっちに向かず更に深い森の中に入っていこうとする。
っまだちゃんと......言いたいこと言えてねぇのに......!
「っユリ......!」
俺はユリの腕を掴んだ。
「......。」
「っまだ、俺らがさよなら言ってねぇんだから、
勝手に行こうとするなよ......」
「......。」
なんでこっち向いてくれねぇんだよ......
「っユリちゃん、ちゃんと北山の話を聞いてくれ......」
ユリはゆっくりと宏光の方に身体を向けた。
「っユリ、お前との生活は凄く充実していて楽しかった......
沢山の楽しい思い出を、ありがとな......ユリ......」
「......。」
「俺らも同じだ。ユリちゃんといる時は凄く楽しかったよ。
ありがとう。」
「ありがとう。」
「ありがとう。」
「ありがとう。」
「ありがとう。」
「ありがとう。」
メンバー達は太輔に続くように『ありがとう。』と言った。
「ユリも、みんなと一緒にいれて楽しかったの。」
「ユリ、これ俺らから最後のプレゼント......
受け取ってくれないか......?」
俺はユリにあのアルバムを渡した。
「......。」
「......ありがとう、なの(微笑)」
アルバムを受け取ったユリは表紙を見た後、
宏光達に向かって微笑んだ。
「っユリ......」