第17章 沢山の思い出を...
「死ぬって怖いの?」
「っユリ......いきなりどうしたんだ?そんなこと聞いて......」
「怖いの?」
「怖くないって人は、少ないと思う......病気になっている人だって、
死にたくなくて治療している。俺だって、死ぬのはこぇよ......」
「......ユリ、人殺したの。」
「っそれは......西園寺達に操られて......」
「違うの。」
「っユリ......」
(いきなりどうしたんだよ......)
「ユリ......パパと会う前、
人殺したの......」
「っ......!?」
悲しげな表情で桜を見ながら言うユリ。
「研究所から逃げ出した時、人に見つかったの......それで、
怖くて殺したの......」
「っ......」
風が吹き桜が咲き乱れユリの長い髪が風に揺れていた。
「その人、何も悪くなかったの......でもユリ、その人殺したの......
全部、思い出したの。」
空を見上げる。
「っユリ......」
空を見上げるユリは涙を流していた。
__ぎゅっ...
俺はユリを抱きしめていた。
「パパ......」
「っ辛かったな......話してくれて、ありがとう......」
「っ......」
「大丈夫......今は俺がいるから、怖くねぇよ......」
「っぅ......」
その後ユリは静かに涙を流し続けた。
“死”......死なんて言葉、ユリにまだ早い話なのかもしれないけど......
この話を期にまた成長したと思う......。
ちゃんと、自分でやっていいことと
悪いことの区別もつくようになってきている......。
桜の季節は、別れの季節でもある......だから、
今にでも、
ユリが目の前から消えてしまいそうだった......。