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人狼少女を拾いました

第16章 現実


「見積もって......およそ一年だ。」



「一年......」



「短いと思うかもしれないが......おそらく来年から狼として、
成長を遂げてくるだろう。そうなると、
またこのような事態が起きえるとも限らない。
時期的に...不安定になってくるからな。」



「不安定......?」



「北山、ざっくり言うと反抗期って感じだ。まぁ人間の反抗期と全く桁が違うから、
ダイナミック反抗期って覚えておけ。」



「ふ、藤ヶ谷......汗」
(っんなことシレっと言うなよ......汗)



「彼の言うとおり、覚醒は14歳から16歳あたりにかけやってくる。
そう考えると、長くて一年となるのだ......」



「っわかりました......」
(なら、ユリといる時間を大切にしないとな......)



「......。」



「ユリ、約束できるね?」



「......わかったの、約束。」



ユリは迷ったのか、しばらく間を作って答えた。



「よし......(微笑)」



父はユリの頭を撫でた。



「一年後、母上と共に白桜山にて待っている......」



「白桜山って北海道の山奥にある......」



「そうだ、人間も滅多に訪れない山だ。
我々は人間がそう簡単に入り込めない領域で暮らしている。
稀に来る者もいるが、森に害するものであれば躊躇なく対処する。」



「っそこに、今日から一年後......行けばいいんですね?」



「あぁ。だが貴方が来るのは入口までだ、
我々の森には人間を好まない者は多いからな。」



「っわかりました......」



「詳しい場所は、ユリが本能的に知っている。
万が一の場合は森の精が知らせてくれるから安心してくれ。」



「はい......」



「では、私はこれで失礼する、母上達にも反対を押し切って来たものだからね(苦笑)
後の後始末は、警察や自衛隊が処理するだろう。」



「......。」



「ではユリ......一年後、また会おう。」



_コクッ「はい、父上......」



「では、ユリを頼みます(微笑)」



お辞儀をすると再び白狼となり、その場を風のように去っていった。


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