第15章 最終決戦
「優しいわね......私は、貴女達に酷いことを沢山してきたのに......」
「アンタ......死ぬことがユリ達への償いって思っているのか!?」
「えぇ、そうよ......この最悪な出来事は私が引き起こしたようなもの。
これくらい、当然の報いよ......」
「っそんなのはただの逃げだ!本気で罪を償いたいって言うなら生きて償えよ!
ユリもリョウガ君も......御子柴さんだって、
アンタが死ぬことを望んでんじゃない!」
「っ......」
「このこと、御子柴さんは知らねぇんだろ?
なら、尚更死ねねぇだろ......」
「ふんっ!今頃何を言う......もうお前は死ぬ定めだ!
私の、腹の中でな......!」_ダッ!
凛太郎は勢いよく楓のもとへ走り出す。
「っ......」_バンッ!
咄嗟に引き金を引く楓だが......
「こんな小さい弾......少しも効かぬ!」
黒狼となった凛太郎には全く歯が立たない。
「っ......!」
楓は死ぬ覚悟で目をギュッと閉じた。
「っ止めるの......!」
「させねぇよ!」
ユリとリョウガは引き金を引いたのとほぼ同時に駆け出した。
「ユリ!リョウガ君!」