第2章 パパと娘
スタジオにて...
スタジオに行くとカメラマンさんやスタッフさんが
沢山集まっている。
(ユリ、人が沢山いる中で待っていられるかな......)
「......。」
ユリは辺りをきょろきょろしている。
「ユリ、ちょっとの間だけど...
ちゃんと待っていられる?」
「......ん......。」
ユリは返事をしたもの、どことなく不安そうだった。
「それじゃあ、まずは北山さん、そろそろスタンバイの方を
お願いします!」
その時丁度スタッフさんが俺に声をかける。
(初っ端から俺か......)
「はい!......じゃあユリ、少し行ってくるからな。」
「そんなに心配しなくても俺らがユリちゃんを見とくから安心して撮影に行って来いよ(笑)」
「...サンキューな、千賀!ってことで、
ちょっくら行ってくる!......ぁ、藤ヶ谷!」
「......?どした?」
「ユリに変な事教えんなよ!」
「変な事ってなんだよ(笑)つーかお前、
完全に親馬鹿になってんぞ?(笑)」
「うるせぇやい!」
「はいはい(笑)」
「パパ、行っちゃうの?」
「多分5分10分くらいだし、すぐ戻って来るから!」
「......ホント?」
「ホントホント!つーか、撮影すんのはすぐそこだしな!」
ユリの頭を撫でながら言う北山。
「ミツはしばらく戻ってこなくていいよ?
俺達がユリちゃんと遊んでるから(笑)」←
タマが北山を茶化す。
「すぐ戻ってきてやるし!」
「ユリちゃん、今度は苺チョコ食べる?」
「苺!?......食べる。」
タマがユリに苺チョコを渡す。
「おい、タマ!俺を無視すんなよッ!」
「やっぱりユリちゃんは苺が好きなんだね~(笑)」
パク...
「......美味しい、なの。」
「ユリまで無視~?なんか、泣きそう......(泣)」
「もう泣いてんじゃんかよ(笑)」
「......今日はいつも以上に気分が良さようだな、
藤ヶ谷よぉ?(怒)」←