第15章 最終決戦
「朝倉、楓......」
「っなんで......パパのところにいるんじゃ......」
「......北神様、」
楓は細長いビンに入った液状のものを清介のもとに持ってきた。
「っ何だあれ......」
(それにこの甘い匂い......研究所で嗅いだのと同じやつ......?)
「っこの匂い......」
ユリ達もすぐ匂いに気づき、咄嗟に鼻を押さえた。
「っユリ達、急に鼻を押さえてどうしたんだ?」
「この匂い、結構やべぇやつかもしれねぇ......」
「これは研究所で独自に開発された特殊な液体......
紅石の性質を利用し長年に渡って完成させたもの......」
「この液体に我々の紅石も加えればさらに強力になる......!
全世界の狼族を思うように、好きなように操れる......」
「「「っ......!?」」」
「これを利用すれば、仲間割れなど簡単なことだ......(嘲笑)」
「っなんでお前がこいつらのとこにいるんだよ!
だってアンタ、ずっと父さんの傍にいるって......」
「えぇ......私は、幼い頃から所長のことが好きだった。
けど彼は、研究のことや貴女達にしか興味がなかった......
私のことなんて、これっぽっちも見てなかった......」
「っアンタ......御子柴さんを裏切った、のか......?」
「所詮恵まれない愛......あんなところにいるなら、
全てを壊してしまおうと思った.....」
「っもしかして......すぐこいつらが研究所に辿り着いたのも、
ユリ達の居場所があっさりわかったのも......お前が......」
「その通りよ、私が......指示したの。」
「っそんな......」
楓の告白に驚きを隠せない宏光。
「さぁ、朝倉殿......我々にそれ......」
「かしこまりました......」_チャ...
楓はビンを清介に渡そうとしたが......
「ん......?」
「朝倉殿、これはどういうことだ?」
凛太郎は眉間にシワを寄せ顔を強ばらせた。