第14章 奇跡を信じるのならば...
「やってくれる、よね?」
新次は怪しい黒い笑みを浮かべた。
「......
わかったの。」
「うん、それでこそ......」
ユリはリョウガのあとを追うように走り出した。
「俺達の女王だ......(妖笑)」
そして新次も再び人間狩りを再開していった。
太輔side
「グルルルル......」
「ゥゥゥ......おらぁ!」_ガッ!
狼の数は多いものの、ここまでは順調だ。
けど問題はここから......いくら力が倍になったとはいえ、
混血種と純血種じゃ明らかに力の差が違う。
今俺らが戦っているのは至って普通の狼と混血種の人狼、
純血種の人狼はおそらくユリちゃん達と西園寺達だけ......
_ガウッ「......っ藤ヶ谷くん、大翔達も合流したよ。
このままいけば、なんとかなるかも......!」
「あぁ、だといいな......」
(圭人、さっきから戦いっぱなしだから疲労が半端ねぇ......体力のことも考えると、
さっさと雑魚共だけでも片付けねぇとな......)
しばらく戦い続けていると...
「ゥゥゥゥゥ......ガウッ!!」
「ぐわっ......!」
「っ陽太!?」
太輔の後ろの方で陽太と思われる青年の喚き声が聞こえてきた。
太輔と圭人は声が聞こえたところへ体を向けた。
「ぐっ......!」
陽太は口から血を吐き出しそのまま倒れこんだ。
「っ陽太!」
太輔達の目に入ってきたのは身体中血だらけの陽太の悲惨な姿だった......。
「っ......!」
「ふふ...はは...はははははっ!」
そしてその陽太に傷を与えたであろう
左目に傷を持ち黒い毛並みを持った一匹の狼が狂ったように笑っていた。
「「っ......!?」」
ふたりは一斉に視線を送った。
「はは、ははははは!殺すのが、こんなに楽しいなんて......ふふ、はは...
ははははは......!」
「っリョウガ......君?」