第14章 奇跡を信じるのならば...
「......藤ヶ谷?」
「藤ヶ谷?なんで、ここで太輔が出てくるの......?」
「っあの戦っている狼、藤ヶ谷だ......」
画面はユリ達から街の様子が映し出され、
襲来してきた狼と戦う数匹の狼が映っていた。
「っちょっと待ってよ!ガヤ、確か狼にはなれないって言ってなかった!?」
「あぁ、でも今日は紅月が見れる日らしいんだ。」
「あかつき?」
頭を?マークでいっぱいにする裕太。
「藤ヶ谷が言うに、紅月が見える日は狼や人狼にとって特別な日らしいんだ。
普段狼になれない人狼でも、狼になれる......だから、
あの狼は恐らく藤ヶ谷だ......。」
「っあの狼が......太輔......」
漠然とする渉、親友という立場であれば当然の反応である。
しばらく見ているとほかの狼達もやってきて戦い始めた。
「さっきよりも、増えた?」
「きっと藤ヶ谷の仲間だ......藤ヶ谷......」
太輔side
「oh......血の香りが凄い......」
「全部人の血だ......」
俺達はそれぞれ狼の姿に変幻し、街に向かっていた。
そこから街まではそう遠くない、だから思ったよりは早く着いた。
「行くぞ圭人......」
「うん......ん?藤ヶ谷くん、あれ......!」
「どうしたけi..っ!?」
まさかあの上にいる二匹の狼......
「あれ、ハイイロオオカミと白狼......だよね?」
「あぁ......
ユリちゃん、リョウガ君......」