第14章 奇跡を信じるのならば...
宏光side
「っあいつ......人間じゃなかったのか?」
(あのふざけたような口調......南雲って言ってたよな......)
画面を見ていた宏光は、ふたりに話している狼が南雲新次だということに気づいた。
「ガヤが言っていたことは、
『西園寺達も、人狼なんですか?』
当たっていたみたいだね......きっと、他の3人も......」
「だろうなタマ......っ、リョウガ君......!」
画面の中のリョウガは身体を狼の姿に変幻していた。
「っでかい......これって、ハイイロオオカミ?」
漠然と画面を見る宏光。
「太輔が言っていたね、リョウガ君がハイイロオオカミって......
ハイイロオオカミはニホンオオカミに比べて遥かにでかいからな......。」
「っ子供でも、こんなにでけぇのかよ......」
渉が冷静に分析する中高嗣は口をポカンと開けていた。
「っリョウガ君......」
(なんでまだ幼いふたりを、こんな残酷なことに利用するんだよ......)
唇を噛み締める宏光。
「......まさか、ユリちゃんも狼に変幻するつもりかな?」
「っ......!」
(タマが言うとおり、絶対あいつらは狼変幻するようって言うだろう......でも!
お願いだユリ......
これ以上、誰も傷つけるな......
だから、狼にならないでくれ......!)