第13章 襲来
「リョウガとユリ......?」
_フッ「そうだ。驚いただろう、御子柴......」
「っ何でユリまでが狼の姿に......!」
「ちょっとした手品をしたまでさ(嘲笑)」
「っ......」
「あの姿が......ユリ様とリョウガ様の、
本当の姿......」
「っユリ!リョウガ!」
「「......。」」
翔はふたりの名前を呼ぶが目の前の狼は何も答えない。
ただ、血に飢えたように紅い瞳を輝かせ唸り声を上げていた......。
「っ俺のことが、わからないのか......」
「娘達の記憶は既に抹消済み......お前が持つ紅石とは比べ物にならない。」
「っそんな......」
翔はその場に座り込んだ。
「っ所長!」
「なんということだ......既に、遅かったのか......」
「そういうことだ(嘲笑)
娘達は完全に狼への進化を遂げた。
だがまだ本当に完全な姿を得たわけではない......
しかし人間を狩っていけば徐々に狼本来の姿を取り戻していくだろう......」
「っ......」
「娘達はもう......人間を狩るしかないロボットだ。
お前如き人間の声など届かぬ......」
「っユリ達をロボット扱いするな!」
「戯言を言うな......ロボット扱いをするなだと?
それはお前も同じことだろ(嘲笑)」
「っ......!」
「お前は、娘を本当の親元から離し自分が好きなように育てた。
御子柴......」
「っ......」
「お前のほうこそ、娘共をロボットのように扱っていたのではないか?
そんなのはただの、人間の自己満足でしかない......(嘲笑)」
「っ俺は......俺は......っ俺は......!」
「所長......」