第13章 襲来
宏光side
あの後太輔の言うとおりメンバー達の元に戻った宏光。
そして宏光達は比較的安全であろう地下にいた。
「......北山、本当に太輔は他の仲間のところに?」
「......あぁ。他の人狼達に伝えに行った......恐らく、
藤ヶ谷も戦う......」
「そっか......今この危機を救えんのは、太輔達しかいないのかもね......」
渉は複雑そうに呟いた。
「藤ヶ谷......」
藤ヶ谷......またこないだみたいに、ちゃんと戻って来いよ。
横尾さんだって......
他のメンバーだってお前のことを待っているんだから......。
「っ来たよ......これが......」
地下に設置されてあるテレビを見て青ざめる高嗣。
宏光と渉も画面に体を向けた。
「「っ......!」」
二人も画面を見て顔を青ざめた。
『きゃああああ!』
『うわああああ!』
画面からは人々の叫び声と......
『グゥゥゥゥゥ......』
『グルルルル......』
威嚇をする、
『ガウッ!!』
狼、人狼達の声が聞こえてくる......。
『っ大変です!謎の4人組による予言は本当でした!
狼達が東京都内を襲い始めています!』
アナウンサーも取り乱している様子で現場の様子を中継していた。
「っ......う!」
そして目に吐き気を催すものも度々入ってきた。
「っごめん......俺もう少し離れたとこに行くよ......」
裕太はテレビの画面から離れ、後ろへと下がった。
「っタマ、大丈夫?」
俊哉は裕太の背中を摩りながら後ろにある椅子へ裕太を座らせた。
「う、うん......画面から視線を逸らせば、なんとか......」
「っ......ユリはどこにいんだよ......」
お願いだから、そんなところにいるなよな......ちゃんと、
リョウガ君と一緒に御子柴さん達のところにいるんだろ?
お願いだよ......ユリ......
宏光はじっと画面を見続けるのだった。