第13章 襲来
『そこまでして楽したいわけ?』
『この世界は、今までお前達人間によって汚されてきた......
便利さを求め続けたゆえに、このざまだ......』
凛太郎がビルの上から東京全体を見渡すようにつぶやく。
ちなみに4人がいると思われる場所は東京タワーの上、
赤い建物がチラホラと映っていた。
『だから我々は、手始めに日本の首都.....東京を滅亡させる計画を立てたのだ。』
『確かに、人間の力だけで東京を滅亡させるなんて不可能だ。だが......
人狼なら、
東京ひとつを滅ぼすなんて簡単なことだ(嘲笑)』
『まもなく狼と人狼達が東京に向かってくる......今宵は紅月の満月が見える日、
人狼達にとっては最高の日......遅くとも今日の夜には絶滅するだろう......』
「っあかつき?......あのじいさんが言っている事ってなんなんだ?」
「その名のとおり紅い月が見える日ってことだ。
紅月は、人狼にとっては絶好の日なんだ......
その日だけは、混血種の人狼も力を持つことができる......」
「つまりそれって......」
「人間にはるかに近い俺も......完全な狼に変幻できる。
力も、普段の倍になる......」
「っ......!」
「けど、それと同時に危険な日でもあるんだ。
前にも話したけど、狼に変幻すると我を忘れ血に飢える......
標的(ターゲット)を仕留めるまで......」
「っつまり、人間が滅びるまで......狼達は人間を襲い続ける......」
「そういうことだ。もし、
その狼達の中に純血種であるユリちゃんとリョウガ君がいれば確実に、
1日で東京は滅びる......」