第12章 滅亡の危機
「人間世界を滅ぼすつもりです。」
「「「っ.....!?」」」
「っ人間、世界を......」
(っユリ達をそんなことに......)
「えぇ......」
「っ人間世界を滅ぼして、一体奴らは何を......」
「私自身はよくわかりませんが、
話によれば緑の世界を取り戻すつもりでしょう......」
「緑......自然?」
「おそらく......確かに、この地球は人間によって汚されてしまいました。
ですが、だからといって人類を滅ぼすわけにはいかない......
この世界を汚したのは人間......
その責任を果たすのも、人間です。」
「......。」
(そういや、藤ヶ谷も似たようなこと言ってたっけ?)
「だから何が何でもおふたりを渡してはならない。
所長も、命懸けでユリ様達をお守りになっているんですよ......」
「......。」
「......とにかく急ぎましょう。あと少しで地上へ通じている通路に出ますから。」
「......わかりました。」
ユリside
「ユリ、リョウガ......ここにいれば安心だ。
静かに待っているんだ......いいね?」
コクッ
「「......。」」
ふたりは頷く。
「よし......俺が帰ってくるまで待っていろ。」
「父さん、行っちゃうの?」
「......大丈夫、すぐ戻ってくるよ(微笑)」
翔はふたりの頭を撫でる。
「いいね?ちゃんと大人しく待っているんだよ。」
「......わかったの。」
そして翔は再び通ってきた通路へ戻っていった。
「......ちょっと怖いね。」
「ん......寂しいの。」