第11章 新たなる魔の手...
翔side
はぁ.....本当に反研究組織の奴らは相変わらずしつこい......。
研究所を潰されたくなければ人狼の子をよこせ......だと?
ユリもリョウガも、アイツ等の手に渡ってはいけない......
アイツ等の手に渡れば確実に......
「はぁ、先が思いやられるよ......」
大きい溜息をつきながら翔は地上から研究所に戻ってきた。
「所長......」
部屋に入ろうとした時、後ろから楓がやってきた。
「.....どうした、朝倉。今反研究組織の奴らと会ってきて疲れているんだ。
......なにか、ユリ達に変わりごとでも?」
「......実は、ふたりが地下牢に行きまして......」
「やはり、ふたりは部屋を抜け出して......」
「はい、今は鍵を閉めているため再び行こうとはしませんでしょう。ですが......」
「あぁ......さて、どうしたものか。
本当に頭を悩まされるよ......まさかとは思うがお前、
“また”ユリ達に手をあげたのか?」
「っ......!」
「図星か......まぁ今回“は”良しとしよう。
それでユリ達も、懲りててくれればいいんだけどな......」
「そうですね......」
本当に頭を悩まされることばかりだ......
朝倉も、本当に懲りないぁ......。
だが、ユリ達もこれ以上アイツ等に会わせるわけにはいかない。
それにユリ達を外に出したら......自ら危険を晒すことになる。
それは、一番避けなくてはいけないこと......。