第10章 失われた記憶の真相...
ユリside
この人、リョウガ傷つけたの......
ユルサナイ、ゼッタイ......。
「許さない......
殺すの......」
ダカラ、コロス......。
「っ!」
太輔は覚悟するかのように目をギュッと閉じた。
「っ止めろユリ!......っユリ!!!」
宏光は声を張り上げながら叫ぶ。
「っ......!」
ナンデ......ナンデ、ナノ?
振り下げようとしたユリの手は太輔の目の前直前で止まった。
「っ......ぇ?」
太輔は閉じた目をゆっくりと開けた。
「っぁ....ぅぁ...ぅぐ......」
頭が痛い......腕が動かないの......
ユリは両手で頭を押さえた。
「っユリちゃん!」