第10章 失われた記憶の真相...
「今日から俺が、ユリの父親になる。」
「っ翔様......」
「お前も、力を貸してくれるな?楓......」
「っえぇ......この朝倉楓、一生翔様にお使えすると決めています。
なんなりと、お申し付けください。」
「ありがとう......よし、車を出せ。急いで千歳空港に向かえ。」
「っでも翔様、所長はどうなされるおつもりですか?」
「っおそらく父は今頃、狼の腹の中だ。遺体を見つけるにも見つけられない......」
「っ......」
「急いで空港......いや、近くのショッピングセンターへ向かってくれ。」
「しょ、ショッピングセンターですか?」
一人の研究員は呆然としながら尋ねる。
「あぁ。いくらなんでもユリを、裸のまま居させるわけにはいかないだろ?
服とオムツとミルクと......おもちゃも必要だ!
飛行機が出るまで時間はあるし.....大丈夫だろ?」
「っはい......かしこ、まりました。」
(もうすっかり父親気分だこの人......汗)←
「翔様、赤ちゃんの服などでしたら西●屋が確実だと思われます。←
お値段もお手頃ですし品物がみつかりやすいかと......」
「そうか、なるほど......さすが楓だ!
ユリは女の子だ、きっとお前の妹のようになるだろう(微笑)」
「っ......えぇ、そうなると...嬉しいですわ......」
楓は顔を少し固くしながら言う。
「よし!早速ユリの服を買わないとな!
ユリ......もう少し辛抱していろよ?」
こうしてまだ赤子だったユリは、翔のもとで育てられることになったのだった。