第10章 失われた記憶の真相...
しばらく走り続ける翔達、
「っ狼の王といっても、人間の里には入ってこれん。
人里に出ればこっちのもんだ!」
「っでも......自分の子となればどこまでも追ってくるんじゃ......」
「っ王だろうが狼だろうが人間には敵うまい!
所詮、動物だ.....。」
「......。」
「あと少しで車があるとこに着く......お前が先に行け!」
「っ父さん!」
「いいから先に行け!お前が先頭になるだけだ、無駄な心配はするな!」
「っはい......」
翔は赤子を抱き抱えながらさっきより足を速める。
__ザッ!
「「っ......!」」
『グルルルルルゥゥゥゥ......』
「っ父さん!」
ちょうど父の後ろには赤子の親であろう銀色に輝く狼の姿があった。
体長は2mを優に超えていた。おそらく父親の白狼だろう......
「っ翔!父さんはもう駄目かもしれん!お前だけでもその子を連れて逃げろ!」
「っそんなことできるわけなi..「いいから行けぇぇぇ!!」...っ」
「後ろを振り向かずに行けぇぇぇ!」
「っ......!」
翔は父が戻ってくると信じ全力で逃げた。
父は持ってきていた猟銃を父親狼構える。
__バンッ!バンッ!......バンッ!
後ろからは激しい銃声、
弾は当たっているのかないのかわからないまま翔は走り続ける。
赤子は親と離される悲しみからか、大声で泣いていた。
「わぁぁぁん!わぁぁぁん!(泣)」
__『ガウッ!!』
「ぐぁっ......!」
「っ!」
後ろからは父の嘆き、翔は咄嗟に目を閉じた。
「っごめんなさい父さん!」
父に対する罪悪感を感じながら翔はなんとか森の出口へとたどり着いた。