第10章 失われた記憶の真相...
「......パパ、あの人誰......なの?」
「っユリ!俺のこと、わからねぇのか!?」
「......?」
(あの人知らない......でもどこかで会ったことあるような気がする、なの。)
首をかしげながら不思議そうに眺めるユリ。
「っユリちゃん......コイツは北山宏光、
君がこの数日間お世話になった人だよ......
わからないのか?コイツが誰なのか......」
「知らないの。」
(キタヤマ?ヒロミツ?......誰のことか、わからないの......)
「っ......」
「っユリちゃん......本当にミツのこと、覚えてないの?」
「......。」
(この人達は誰なの?あの人の知り合い?
......誰かわからないの、でもどこかで......)
ユリは頭の中がついていけなかった......。
「......これ、お前がさっき落とした合鍵......ユリ、
このキーホルダーと同じ苺が好き......だったよな?」
「......。」
(イチゴ......"初めて"見たの。)
「っ......」
「ユリ、彼はね......お前を預かってくれた恩人だ。
きちんとお礼を言いなさい(微笑)」
ユリ、アズカッテクレタ......
ダカラコノヒト、ユリヲシッテル......
デモユリハシラナイ......ナンデ?
ケドユリヲアズカッテクレタ。
チャントオレイ、イワナキャ......ナノ。
「......ありがとうございます、なの。」
「「......っ」」
「っユリ......」