第9章 人狼への目覚め
「っユリ......!」
姿を現したのは先ほど隣の部屋へと姿を消したユリだった。
宏光はユリの姿を見て2人以上に驚きを隠せなかった。
「っ......お前卑怯だぞ!こんな幼い子供を使うなんて!」
「なりそこないの狼には、子供の狼で十分だろ?(嘲笑)」
「っさっきから、なりそこないなりそこないってうるせぇよ......
余計なお世話だ。」
「っ藤ヶ谷.....どうするつもりだよ!」
「っ無論......こんな幼い子相手に戦えるわけねぇだろ......」
(一体どうすりゃあいいんだよ......)
「リョウガ......」
「......ユリ、俺は大丈夫。すぐ片付ける。
これが終わったら、また遊ぼ?」
「ん......」
「リョウガ、狼に変幻しなくて大丈夫だ。とりあえず、死なない程度に相手をしなさい。
君も、純血種の人狼なんだからね。」
「っ純血種......この男の子が......」
「そうだ......彼もまたユリと同じ純血種の人狼、
混血種如きのお前が勝てる相手ではないよ(嘲笑)」
「っ......」
「「藤ヶ谷(ガヤ)っ!!」」
「っなら......それなりに相手をしても、大丈夫なんだな......」
(子供でも相手は純血種の人狼......混血種の俺より身体は丈夫なはずだ。
ちょっとやそっとじゃ死なない......いける!)
「っ藤ヶ谷......」
(一体、あんな幼い子供相手にどうするつもりだよ......
それにユリのあの目......この男の子、
そう簡単に手を出せる相手なんかじゃないんじゃ......)