第2章 パパと娘
数十分後...
「よし!ユリ、夕飯出来たからこっちに来なー。」
俺がテレビを見ているユリに声をかけると
ユリはトテトテとこっちに来る。
ふと歩く姿が可愛いと思ったりもした......。
「じゃあユリ、ここに座って。」
「ん......」
ユリをテーブルの椅子に座らせる。
ちょこんと座ったユリ、
お箸を手に取って料理を見ながらキョロキョロする。
「食べ方わかる?」
「......分からない。」
「分からないか......じゃあ、俺の真似して食べてみ?」
「ん......」
ユリに俺の真似をするように言い、
俺からご飯を食べ始める。
そうするとユリは俺の真似をするように
箸の持ち方を変える。でもどことなくぎこちない感じだ。
......今のユリに箸は使えるかな......。
パク...
「モグモグモグ...」
ユリはご飯を口に運ぶ。箸の持ち方はぎこちないが
これくらい出来ていれば特に支障はないだろう......。
「お!いい感じじゃないか?こんな感じで、
他のおかずも食べてみ。」
「ゴク......ん」
ユリはご飯を飲み込むと『ん』と返事をした。
ユリは徐々に箸の使い方が分かったのか、
『ひょい、パク。ひょい、パク。』と
他のおかずを口に運ぶ。
「美味いかか?」
「ん......」
相変わらず、ユリは無表情で返事は『ん』としか
言わないが、味は美味しいと思っているみたいだ。
こんな感じだったら、ユリとの生活は
何とかやっていけそうだ。
ただ1番問題なのは俺が仕事をしている間、
ユリをどうするかだ......。
(どうしたもんかな......)
俺はユリがご飯を食べているところを
見ながらそう思った......。
「......?」
ユリはキョトンとしながら俺を見てた......。