第8章 失われた記憶
ユリside
「リョウガ......まだ覚まさないの。」
「......あと少しじゃないかな?......もしや侵入者は、
この青年達かな......(嘲笑)」
翔はデスクトップの画面を見ながら呟いた。
「......。」
(パパ達なの......?)
気になったユリはリョウガを少し撫でたあと、翔の元に歩いて行った。
「......おや、ユリ...どうしたんだい?」
「何見てるの......」
「侵入者を探していてね......ユリも見てみるかい?」
「......。」
ユリは翔の言うとおり、デスクトップの画面に目を向けた。
画面の向こうには見覚えのあるような顔ぶれが揃っていた。
「っ......」
そして目を大きく開かせた。
「やはり......彼らか......」
「パパ......」
「っ!」
翔は驚いた様子でユリを見た。
「パパなの......ガヤとタマちゃんもいる......」
「......そう、彼か......
『藤ヶ谷、この先か?』
『あぁ、前のエレベーターに乗って最上階まで行こう。』
彼がユリを
奪い、
惑わした......
張本人か......」