第8章 失われた記憶
「この先だ、所長室があるところは......」
「さっきはうようよ人がいたのに、一気に減ってやがる......」
(本当にユリがこの先にいるのか......?)
「でも逆に怖いよね......人気が少ないのって......」
「そうだな......っ!また誰かが前からくる......」
「「っ!?」」
足を進めていると、太輔は前から歩いてくる人物の足跡の音に反応した。
「......貴方達、ここで何をしているのかしら?
ここからは立ち入り禁止、この先は所長室しかないわ。
なにか侵入者に関する情報でもあったのかしら?ならここを通ることが出来るわ。」
「っあ、あのぉ......(汗)」
(やっべぇ......この人見るからに超こえぇ!(汗))←
目の間にいるのはひとりの女、宏光はただならぬオーラに身を縮めた。
「僕達は、そのぉ......ん?」
(こいつの名前、朝倉って書いてある......朝倉っていうのはこの女のことか。)
「えっと、ぼ...僕達はぁ......(汗)」
(この人超怖いっ(泣))
裕太に至っては完璧ビビっていた。
「えぇ、そのことで所長にお話があるのです。
ここは急いでいるので、通してくれませんか?」
「......。」
朝倉は眉間にシワを寄せながら太輔を見た。
「っ......」
(そう簡単には、騙されねぇか......)
「貴方達......一体何者なの?貴方達のことは一度も見たことないわ......」
「「っ......!」」
「っ......」
(幹部の人間ってなると、厄介だな......)
ほとんど諦めかけた3人......
「朝倉、彼らを部屋に入れなさい。」
「「「っ!?」」」
「っ所長!」
朝倉の後ろから、所長と呼ばれた翔が姿を現した。
「っ......」
(っコイツが......この施設の所長......)
宏光は目を見開いて翔を見た。