第7章 本当のパパ?
所長室...
「ここが俺の仕事部屋だ。もう少しでリョウガが来るよ。」
「......広いの。」
部屋は大きい本棚で囲まれており正面には大きい窓、その前には机がある。
「そうだな(笑)...「"コンコン..."所長、」......連れてきたのか?」
「はい、念のため鎖を付けております。」
「......。」
「わかった、入れ......でも鎖は外しなさい、ここにはユリがいる。」
「しょ、承知致しました。」
一人の男の研究員がリョウガを連れ所長室に入ってきた。
リョウガは左目に傷を負っている跡があった。
そしてリョウガの首元に繋がれていた鎖をおずおずと外す。
「リョウガ......」
「......ユリ、俺を心配して探しに来たの?」
コクッ
「......。」
「な゜!?しゃ、しゃべ......」
急に人間語を話し始めたリョウガ、連れてきた研究員は驚きを隠せないでいた。
「......お前は任務に戻れ。」
「は、はい......失礼、します......」
驚きを隠せないまま研究員は所長室を後にした。
「......君も、"人狼"なのかい?リョウガ君......」
キッ
「......。」
リョウガは翔の方を睨む。
「......無理もないな、もう君に危害は加えない。
済まなかったな......」
「ユリを誘き寄せるために、俺を拉致したんだろ......」
「フッ......もしそうだとしたら?(微笑)」
「グルルル...俺はどうなってもいい......ユリを、
"あの人"の元に返してやれよ。」