第7章 本当のパパ?
「......"あの人"の元に返してやれよ。」
「......。」
さっきまで穏やかな表情を見せていた翔は一気に顔を強ばらせた。
「"あの人"?......何のことだかわからないね(嘲笑)」
「っ......」
「......どうやら君には少し、
記憶をなくさないといけないようだね。
君には、一部の記憶を消させてもらうよ(微笑)」
「っ!?」
「っ止めるの!......リョウガを、傷つけないで!」
「大丈夫だよユリ(微笑)
さっき言った通りリョウガに危害は加えないよ。」
翔は首にかけていた赤く丸い飾りが付いたネックレスを外し、
手に巻きつけリョウガのもとに歩き出す。
「っ......止めて!」
「っ!」
翔はリョウガの額にネックレスを巻きつけた手をあてる。
すると......
ガクッ
「......。」
リョウガは目を閉じ眠るように倒れこんだ......
「っリョウガ!」
ユリはリョウガの元へ走る。
「リョウガ......」
「大丈夫だユリ、少しの間眠っているだけだ。
直に目を覚ますから安心しなさい(微笑)」
「......酷い、なの。」
「......これもお前の為だよ。」
「......。」
ユリはしゃがみ込みながら黙っていた。
「......あと少しで目覚める、リョウガの目が覚めるまでそこにいなさい。」
翔はユリの頭を撫でるとデスクトップの方に歩き出す。
「......"ボソッ..."パパ、
助けて、なの。」