第7章 本当のパパ?
「っ放して!放して!」
ユリは脱出しようともがくが
複数の男に腕を掴まれているのでなかなか離れることができない。
「早く車に運びなさい!人目につくとまずいわ......早くなさい!」
「っはい!」
「っや!行きたくない!」
「っ!」
パチンッ!
「っ......」
朝倉がユリのもとへ行きユリの頬をパチンと叩いた。
ユリの頬は少し赤くなっていた......。
「っ朝倉さん......」
「いい加減になさい!っ......これだから、
子供は嫌いなのよ......」
「朝倉さん......」
一人の研究員は複雑そうにしていた。
「早く車に乗せなさい!すぐ出発するわよ......」
「はい......」
研究員は小さく返事をすると他の研究員とともにユリを車に乗せようとする。
「っいや!いやなの!パパたすk.."モガッ"...んんん!」
助けを求めようとしたが口をハンカチのような布で塞がれ喋ることもままならない。
ユリが一生懸命もがこうとした咄嗟に、
チャリン...
首にかけていたネックレスが落ちてしまった。
「っ......」
ユリは落ちた鍵を拾おうと手を伸ばすが、
届く前に車の中に入れられてしまった。
「っ...ぱ、ぱ......"ガクッ"」
どうやらハンカチには催眠薬が染み込まれていたようで
ユリの意識はここで捉えてしまった......。
「さぁ、早く研究所に戻るわよ。」
「「「はい!」」」
そしてユリを乗せた車は研究所に向かって走り出した......。