• テキストサイズ

人狼少女を拾いました

第7章 本当のパパ?


「力づくでも......捕まえなさい。」



「「「了解。」」」



朝倉がユリを捕まえるよう指示を出し、他の研究員達は



何のためらいもなくユリを捕まえようとする。



「っ......」



ユリは何とか逃げ出そうと、一瞬の隙を見て研究員同士の隙間から逃げ出す。



「っ待て!」



「子供如きに何をしているの!彼女は純血種の狼、早く捕まえなさい!」



「「「っ了解!」」」



朝倉の指示により、ユリを急いで追いかける研究員達。



「っお待ちくださいユリ様!」



「我々と帰るべきところへ帰りましょう!」



「っいや、なの!」



珍しく声を荒らげたユリ、


ユリは必死で走るが、今のユリは普通の小学生と同じくらいの体力、



大の大人の体力に叶うはずはなく......








ぐいっ!



「っ!?」



「早く戻りましょう!」



「っいや!放してなのっ!」



腕をひとりの男に掴まれ、男の手から逃れようとするがビクともしなかった。



「っユリ様、所長も待っておられます!」



「っ知らないの!」



「っ......所長のことも忘れたというの......」



朝倉は顔を歪ませた。



「っ......」
(知らない、わからない......所長って誰のことなの......?)



どうやらユリはほとんどの記憶を失っているようだった。



ユリの記憶に残っているのは......








『ユリー、飯できたぞー!』





『よし、どっか遊びにでも行ってみっか!』





『ピーマンも食べないとダメだ。』





『今救急箱取ってくるから、舐めるなよ!』





『ユリ、狼が見れて良かったか?』






『お休み、ユリ。』











「パパ......」










宏光や皆と一緒に過ごした時間だけだった......。






/ 412ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp