第7章 本当のパパ?
走り続けるユリ、だがその足は途中で止まってしまった......。
「見つけましたよ、ユリ様......」
ビクッ
「っ......」
ユリは前からやってきた複数の男達に身体を震わせた。
「......。」
ユリは反対の後ろの方へ走ろうとしたが......
「ユリ様、所長の元へ帰りますよ。」
「いや......なの。」
後ろには先ほどの女、ユリは横道から逃げようとしたが
左右からも何人かの男達がやってきて逃げる隙がなかった......。
「っ......」
「......貴女の居場所は"あそこ"ではないの。大人しく、
所長の元へ戻りなさい。」
「......。」
ユリは鍵を強く握り締め、首を横に振る。
「駄々を捏ねないで、大人しく私達に着いてきてください。」
「いや......パパのところがいい......」
「貴女のパパは、"彼ではない"のよ......貴女は狼、人狼なのよ。」
「......おおかみ、......じん、ろう?」
首をかしげるユリ、
やはり太輔の言うとおり自分が人狼だという自覚はないようだった。
「朝倉さん、どうやら記憶をなくしているようですね......」
「そのようね。でも私達の役目は彼女を研究所に取り戻すこと、力づくでも......
捕まえなさい。」