第2章 パパと娘
俺達はその後小児科を後にした。
「ユリ、何か食べたい物はあるか?」
「......分からない。」
また分からないか......(汗)
まぁ、まだスーパーとかやってるから
そんとき決めっか......。
スーパーにて...
「なんか気になる物はあるか?」
「......。」
ユリは周りを見てキョロキョロしている。
「......。」
そしてユリは何かを見つけたのか、
真っ直ぐ一直線に進んでいく。
「お、何かあったか?」
「......これ......。」
ユリはあるものを指す。
ユリが指したものは栃木県産苺の『とちおとめ』。
苺か~、苺は今が旬だよな......。
「苺食べたいの?」
「......いちご?」
ユリは苺という単語を初めて聞いたかのように
聞き返してくる。
「そう、甘酸っぱくて......ビタミンCも豊富だから
お肌とかにもいいんだよ。」
「......。」
ユリは苺のパックを一つ取り、
目をパチクリさせながら苺を眺める。
「食べてみたい?」
「ん......。」
ユリは返事をするときは必ず『ん』と言う。
やっぱり話すのが苦手か......。
「じゃあ、そのパックをこのカゴの中に入れて?」
ユリは苺をカゴに入れる。
何かこうしてみっと本当に親子みたいだよな......。
でも周りから見ればおつかいに来た兄妹だろうけど。
その後俺達はスーパーの中をぐるりと周り、
必要なものをカゴに入れていく。
「よし、買うものは買ったし会計すっか。」
俺達は会計をするため、レジへ向かう。
「あれ、北山君じゃないですかッ!」
「???」