第6章 行動開始
「どういう事ですか?」
「お前はまだここに入って浅いから知らなかっただろうが、
あの娘は"5年前"にうちの研究所から逃げ出した......」
「娘......」
(やっぱり、あいつ等の言っている人狼ってユリのことなのか?
しかも5年前って......)
「5年前......」
(やっぱりあの時の子供は、ユリちゃん?
もしそうだとすると、俺の殺した奴は研究所の奴だったのか?)
「あの人狼は、我々を見計らって逃げ出した。」
「そうだったんですか......」
「それで我々研究員は娘の後を追い、その娘を見つけ出した......」
「それで、その少女を捕まえたんですか?」
「いや......娘を見つけ出した研究員は、何者かによって殺されていた。
血まみれになってな......」
「っ!」
「「「っ!?」」」
「っもしかしてこれ......藤ヶ谷が今日話してくれた......」
「あぁ、恐らく殺したっていうのは俺の事だ。」
「っ......」
「っそれで、その少女はどうしたんです?」
「数日後、我々の方で捕まえた......」
「っなら何で......捕まえたなら、既にここに......」
「......娘は、"また"我々を見測って脱走したんだよ。かれこれ最近のことだ。
丁度お前が、ここに入って来た頃にな......」
「っユリ......」
「ねぇガヤ、やっぱりアイツ等が言ってる人狼ってユリちゃんのことなの?」
裕太が太輔を見上げながら訪ねる。
「恐らく......」
「それで、今日捕まえたってことですか?」
「あぁ......昨日五十鈴動物園で偶然研究員が見かけたらしい。
狼と、じゃれ合っている娘の姿がな......」
「「「......っ」」」」
「やっぱり、昨日のやつ見られていたのか......」
「っ俺のせいで.....俺g..「お前のせいじゃない。」っでもよ......」
「タイミングが悪かった、それだけだ......」
「っ......」