第1章 裕也と私
「・・・分かったよ。そこまで言われたらこっちも断れねーよ。ただしめちゃくちゃゆっくり飲めよ(笑)」
「はいはい!じゃあお願いしますっ」
うん、絶対反対してくると思ったんだよね。裕也のことだから・・・
私がこれくらい強引に頼まないと、絶対高いの入れさせてくれないでしょ?
裕也がこのお店ですごく人気があること、私知ってるんだ。
今日もバタバタしてただろうに真っ先に声かけてくれるし、優しい人だよ、本当・・・。
でもその仕事と割り切れない優しさが、裕也をNO.2で止めちゃってるんだよね。
だから私が、私が通えなくなる前に何とか裕也をNO.1にしてあげたい。
これが例え裕也の本当の心に届かなかったとしても。