第1章 裕也と私
「ちょっと先客あっからごめん。ちょっとだけ待ってて?」
「全然良いって!あたしこの隣のジローちゃんと話しとくし」
「お嬢はお任せください裕也さん!!」
「おージローなら退屈しねーだろ!んじゃまた後でな」
はぁ…
今日1日であのアホ店長にこき使われて頑張った1ヶ月分のバイト代がなくなるのか。
分かっちゃいるけど悲しいっ。。
「沙雪ちゃん大丈夫?今日はいつもに増して影が多いようだけど・・・」
「影が多いってヒドッ!!っていつもそんなに影多い?!」
「あはは!冗談よぅっ!でも何か疲れたような切ないような顔になってるわよぉ」
オネエ気質のジローちゃんが肩をバシッと叩く。
ジローちゃんって鋭いんだよなぁ、心を見抜いちゃうっていうか。
もういっそのこと占い師にでもなったらいいんじゃないかなと思ってる←