第1章 裕也と私
ーじゃあまたね!今度は友達も連れてきてね~!
「あ、そろそろ裕也さんが来るわ!ほら、これで目の腫れを押さえて!」
「う、うん」
ジローちゃんにもらったおしぼりが、冷たくて気持ちいい。
このまま目の前が真っ暗になって、全部夢でしたーってなればいいのに…
「ん、ん~……痛っ!」
うわっ、頭痛い…ガンガンする。
こめかみをグリグリしながら、ゆっくり起き上がる。
あれからどうなったんだっけ?全然覚えてな…
「お、起きたか?おはようさん」
目の前にぼうっと人の顔が…
って、ゆ、ゆ、裕也?!!
「っ……ギャーーッ!!!」
私は急いで洗面所に駆け込んで、鏡の自分を見た。
1日置いた化粧はヤバイ!裕也に会いに店に行くときはアイメイクをしっかりしていくから、最悪パンダに…
「って、あれ…?」
目の前の自分は、パンダどころかファンデものってない、つまりスッピン。
思った自分の顔と違って、首を傾げていると後ろから声が聞こえた。