【ONE PIECE】もしもあなたが連れて行ってくれたなら
第11章 2人の時間
キラーはなんの躊躇もなく、店に入った。
「え!? キラー!?」
アユナはキラーの名前を呼んだ。
「何だ?」
「何だって……何で服屋さんなんかに……」
「昨日のワンピースの弁償だ」
アユナは驚いた。
「い、いいよ! そんなの悪いし!」
キラーは首を振った。
「ダメだ。そんなのおれが許さない」
キラーはアユナを見つめて、真剣な顔で言った。
「……わかったわ」
アユナはキラーの真剣さに負けて、渋々頷いた。
「おい、誰か」
キラーはお店の店員を呼んだ。
「いらっしゃいませ。どういたしましたか?」
店員の女の人はにこりと笑って、キラーに話しかけた。
「ああ、こいつの服を上から下まで選んでくれ」
キラーは横にいたアユナを自分の前に出して言った。
「え!? キラー、話が違うじゃない! わたしはワンピースだけだと思って……」
「おれは倍以上にして返さないと気がすまないんだ。とにかく頼む」
キラーは店員にアユナを押し付けて、自分は店の外へ出て行こうとした。
「キラー?」
「おれはちょっと行くところがある。すぐ戻って来るから気にするな」