【ONE PIECE】もしもあなたが連れて行ってくれたなら
第2章 幼き日の約束
「危なかったね。アユナ」
わたしは少しスキップ気味にアユナの前を歩く。
「ミーウ……また、マシュラに怒られるよ?」
わたしはアユナの言葉に振り返って笑った。
「わたしはもう慣れたから気にしてないよ。怒られるのが嫌なら、わたしと一緒に来なきゃいいじゃない」
「わたしはシェルミー様とメアリー様に、ミーウと一緒にいてほしいってお願いされたから、言う通りにしているだけよ」
アユナは目線を横に逸らした。
「……」
ーー本当は知っている。その他にも、理由があるということ。わたしに気付かれないようにしているけど、アユナの表情を見ていれば何かあるのは鈍いわたしでも分かった。そして、その“何か”をわたしは既に知っている。
「それに……」
アユナは言葉を続けようとして口噤んだ。顔がほんのり赤くなっている。
「それに? 何があるの?」
わたしが聞くと、アユナは苦笑いを浮かべた。
「ううん、何でもない。早く行こう」
アユナはそう言うと、すぐ側まで駆け寄って来て、わたしの手をひいて前を歩いた。
「……」
(なんか誤魔化されたような気がする……)
わたしは黙ってアユナの後ろを歩きながら、彼女の背中を見た。