【ONE PIECE】もしもあなたが連れて行ってくれたなら
第2章 幼き日の約束
(まだわたしには言えないことなのかな……?)
ーーそのうち教えてくれるのだろうか……もっと大きくなったら……。
そんなことを思いながら、丘の上にある“大楠”に向かってアユナと歩いて行く。
「今、何時くらいかな?」
「もうそろそろ集合時間になるはずよ」
アユナと早歩きをしながら、頂上に続く坂道を進む。
「アユナ、早く。また遅いって言われちゃう」
坂になっている森の中を歩きながら、わたしたちはやっと大楠に辿り着いた。丘の上には、もう既に赤い髪の毛の男の子が大楠に背を預けて本を読んで座っていた。
「キッド」
「ミーウ、アユナ。遅いぞ」
彼に呼びかけると、顔を上げて本を閉じて地面に置いた。
「ごめん。キラーは?」
「キラーなら上だ」
息を整えながら、わたしは木の上を見た。長くて綺麗な金色の髪を風に靡かせて、大楠の太い枝に座って海を眺めている男の子が見える。
「おい、キラー。来たぞ」
キッドがキラーを呼ぶと、彼はそれを聞いて身軽に木から降りて来た。金色の髪の毛がふわふわと動きに合わせて舞っている。
「……随分、遅かったな。何かあったのか?」
「ごめん、キラー……ミーウのお母さんが外に出るのをなかなか許してくれなくて……」