【ONE PIECE】もしもあなたが連れて行ってくれたなら
第11章 2人の時間
アユナはそれを聞いて、顔を上げた。
ケイトは穏やかな目をアユナに向けた。
(やれやれ)
ケイトは苦笑した。
「だから……断れなかったんだな?」
アユナは頷いた。
「そうか」
「お、怒らないの?」
アユナは震える声で言った。
「好きな奴に会うのにダメだなんて言えないだろう?」
「……ケイト……」
ケイトは優しく笑った。
「……ありがとう」
アユナも笑った。
「それで……今、服を選んでいたのか?」
アユナは頷いた。
「自分が1番落ち着く格好で来いって言われたんだけど……それがわからなくて……」
アユナは1着の服を手に取った。
「……アユナはどんな服が好きなんだ?」
アユナは下を向いて、顔を真っ赤にした。
「わ、笑わないでね?」
「ああ」
ケイトはその様子に目を丸くして頷いた。ーーアユナがこんな風になるところを初めて見たのだ。