【ONE PIECE】もしもあなたが連れて行ってくれたなら
第9章 海の上の戦い
「何でもないわ」
ミーウはキラーに笑顔を向ける。
「そうか、ならいいが……」
キラーとアユナは顔を見合わせる。
「何事もなかったし、とりあえず中に入る? おやつはあげれないけど、お茶くらいなら入れるわ」
「うん」
ミーウはアユナの言葉を聞いて頷いた。
「……」
おれも3人の後に続いて船の中に入ろうとした、その時……。
「助けてくれー!」
男の声が海の方から聞こえた。
「あ?」
おれたちは声のした方へ行き、海を見下ろした。そこには、数人の男たちが木の板にしがみついていた。
「た、助けてくれ!」
「おれたちが悪かった!」
「何でもするから助けてくれ!」
溺れそうになりながら、懸命に助けを求める男たち。先程沈めた船の乗組員だろう。
「……ねえ、キッド。助けたら?」
「……はァ!?」
隣にいたミーウがとんでもないことを言い出した。
「お前、正気か? あいつらはおれたちの船を沈めようとしたんだぞ? 助けたら、また命を狙われる可能性もあるんだぞ?」
「うん、そうだけど……」
ミーウは海にいる男たちを見た。
「このままだと死んじゃうよ」
「……」
海賊とは海で出会ったら戦って、負けたら海の藻屑となって死ぬ。それが当たり前だと思っていた。でも、この女は……。