【ONE PIECE】もしもあなたが連れて行ってくれたなら
第9章 海の上の戦い
すると、再び砲弾が飛んで来た。
「何度やっても同じだぜ!」
“反発”を繰り出そうとしたその瞬間、背後から足音が聞こえて誰かがおれの頭上へと飛び上がった。そして、刀を顕現させて刃先に砲弾を乗せる。
「はー!」
空中で回り、その反動で相手の船へと砲弾を飛ばす。
ドーンッ!!!
砲弾は相手の船へと当たり、船を破壊した。
「……」
(マジかよ)
甲板へと降り立った人物の元へ歩み寄る。
「おい、ミーウ」
ミーウが持っていた刀が消えて行く。消えたと同時に振り返った。
「キッド」
「今のは何だ。何で黙ってた」
「……」
おれは知らない。ミーウがあんな身のこなしができることを。刀を顕現させたり、消失させたりできることを。
「……そのうち話すわ」
「今じゃダメなのか」
「……ごめんなさい」
ミーウは顔を俯けた。
どこでそんな力を身に付けた? 確かに強くなると約束をしたが、強くなった素振りなんて少しも見せなかったのに……。
「キッド!」
タイミングがいいのか悪いのか、船の中からキラーとアユナが出て来た。
「ミーウもいたのか。大丈夫か?」
「……あァ」
「どうした?」
どこか気まずい雰囲気を察したのか、キラーはおれたちを交互に見る。