【ONE PIECE】もしもあなたが連れて行ってくれたなら
第8章 初めての島
キラーは息を吐き出した。
「とりあえず、おやつは抜きだ! いいな!」
「……はーい……」
「チッ」
ミーウは俯いて項垂れて、キッドは舌打ちをした。
「ふふ」
わたしは思わず笑ってしまった。
「アユナ?」
「ん? ああ、ごめんなさい。なんか……」
わたしはキラーを見ながら言った。
「いつもの光景だなって思って」
これからはいつも3人と一緒にいられる。楽しく旅ができる。きっと、困難もたくさんあると思う。それでも、3人と一緒なら大丈夫。そう思えた。
「……そうか」
「ええ」
キラーはわたしの方に手を伸ばして、髪の毛を撫でた。
「さあ、アユナ。おれたちは中に入ろう。何か食べたいおやつはあるか?」
キラーはそのまま、わたしの背中に手を回した。
「そうね……わたし、チーズケーキが食べたいわ」
「そうか、それならおれが作ろう」
「悪いわ。自分で作るわよ」
わたしはキラーを見上げた。
「それなら、2人で作らないか?」
「……え?」
ー2人?
「キ、キラーがらいいなら……」
恥ずかしくなって顔を俯ける。
「よし、じゃあ準備をしに行こう」
キラーはそう言うと、後ろを振り向いた。
「お前たちの分はないからな。そこで反省してろ」